堕天使、恋に落ちる
おそらく可愛いバックでも見つけたのだろう。

「離れないって自分でも言ってたくせに、やっぱ馬鹿は由那だろ…!?」
ため息をつき、由那の方に向かう。
そのたった数秒間の間だった。

「ねぇねぇ君、可愛いねー」
は―――?

「俺等とあーそぼ!」
「え?え?わ、私?」
「そう!君!」
「ヤベー、マジ可愛いぃー」
「もうすぐ昼じゃん!一緒に食べよっ」
「い、いえ。私恋人とデート中なので、無理です!すみません」
少しずつ由那の方に向かう。

「えーいいじゃん?行こーよぉ」
「てか、恋人いないじゃん!」

「ここにいるよ…彼女の恋人………」
男達の後ろから、呟くように割って入った。
「え…?」
「俺も話に入れて?」
「あ、あの…その…」
俺の雰囲気が怖いのだろう。
しどろもどろになる、男達。

「なんなら俺の知り合いのお兄さん達、呼んでやろうか?ちょっと怖い顔してるけど、怒らせなければ優しいよ。
まぁ、俺からしたら全然怖くねぇけど」
「い、いえ!大丈夫です!すみませんでした!失礼しました!」
そそくさと、走り去って行った。

「由那。言ったよな?俺から離れるなよって!」
「ごめん…このバック可愛いなって。すぐそこだったし……」
「由那…お仕置きだね…」
「え…」
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