堕天使、恋に落ちる
「ん――!な、何!?」
「だって口唇食べていい?って聞いたら、うんって言ったじゃん!」
「言ってないよ!」
「言ったよ。てか、全然俺の話聞いてなかったよな?」
「え?き、聞いてたもん!」
明らかにしどろもどろだ。

「じゃあ俺、何っつた?」
「え?
髪の毛!髪の毛柔らかいねって言ってた」
「うん。言ったね。その他は?」
「は?その他?」
「やっぱ聞いてない…!」
「うー、ごめん…メニューのこと考えてた」
「フフ…まぁいいけど!で?決まったの?」
「うん」
「じゃあ注文しよ!」

注文し食べていると……

「あれー?一徹?」
「あ?あー志穂か」
ホスト時代の客が、話しかけてきた。
「誰?」
「ん?俺の元、客」
「あーそっか」
「一徹、まさか彼女?」
「そうだよ」
「あの噂ほんとだったの…」
「は?今デート中だから、あっち行けよ!」
「え…?ほんとに一徹?いつもはこんな風に言わないのに……」
「は?」

志穂は由那に向き直った。
「あんた鏡子さんが言ってた、アクセ女…」
「………」

は―――?
何言ってんだ、この女。

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