堕天使、恋に落ちる
一徹と命
ある日の仕事中―――

「由那、ちょっとこっち!」
「うん」
「チューしよっ?」
「え?さっきもしたよ!それに今、綺麗に片付けてる最中なの。邪魔しないで?」
「ダメだ!触れてないとおかしくなるって、言ったでしょ?」
私の手を引っ張り、膝に座らせた一徹。
「ほらっチュー!」
「うん…。
ん……」
「フフ…可愛い…」

コンコン―――!
「誰だ!?」
「俺ー!命だよー」
「命さん?」
「入っていい?」
「あぁ」
え―――?でも、鍵……

ガチャ―――
「お疲れー。一徹、天使ちゃん!」
「あぁ」
「え?命さん、どうして?鍵…」
「んー。俺、この辺全体の神だよ。開けれないとこないよ!」
「まーそうゆうこと」
そうなんだ。そりゃそうか――。

「でも、今日はどのような用事ですか?」
「あれ?一徹に聞いてないの?今日は三人で食事だよ!」
「へ?」
三人?
頭の中“?”の私に、
「ごめん…由那。忘れてた…今日今から命と三人で食事するんだよ」
「そうなんだ」
「嫌?俺と食事…」
命さんが、悲しそうに肩をおとす。

「え?違っ、違いますよ!食事しましょ!」
「だよねー。天使ちゃん、何食べたい?何でも食べさせてあげるよ!」
そう言って、私に触れようとする。
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