堕天使、恋に落ちる
神と見せしめ
頬に手の感触がある。
とても優しい、安心する感覚。
「ん……」
「おはよ、由那」
目を開けると、優しい表情の一徹が私を見ていた。

「おはよ…あっ頭痛い…」
つい眉間にシワがよる。
「由那?大丈夫?」
「うん…」
一徹が頭を撫でてくれた。
「もう少し頭撫でてて?安心する…」
「わかった。ずっと撫でてるよ…!」
「私、あれから…」
「結局起きなくて、そのまま連れて帰ったんだよ…」
「あ、命さんに挨拶してない……」
「そんなことしなくていい。これ以上俺を嫉妬で狂わせるなよ…!」

「ンンン……」
腕枕をしていた一徹が、一瞬で私を組み敷いて、口唇を塞いだ。
「言っとくが、由那が悪いんだからね……嫉妬まみれにさせて、また命の名前までだして……」
一徹の手や口唇が私の身体中を貪る。
「んぁ……ごめん…な、さい……やぁ…あ…ん…」
「今日は仕事に行く直前まで、俺の愛を受け止めるんだよ……?いいね?」
身体中で一徹の熱情を受け止める。
苦しくて、熱くて、甘くて、重い愛情。

「由那…由那……由那…もっと、俺を見て?俺に愛されてるってちゃんと……」
一徹の綺麗な瞳を見つめる。

何度も熱情を受け止める。
だんだん目が霞んでくる。
意識が飛びそ――――
「いって、つ……もっと…愛されて…たい…」
必死に手を一徹に伸ばす。その手を一徹が貪って、握る。

どうか、私の意識を引き戻して―――!
まだ一徹を感じてたい………
「おねが…いっ、てつぅ………」
「由那…由那……おいで?」

も…だめぇ………
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