お日さまみたいな温かい君に包まれて
1 夏休みの計画
4月。

今日は1学期の始業式。


昇降口前に貼られているクラス分けの張り紙と教室の地図を確認し、3年2組の教室へ向かう。



「おはよー!」

「「おはよー!」」



勢いよく教室のドアを開け、クラスメイト達に挨拶をした。

黒板に書かれている座席表の中の、清水 景斗を探す。


今年のクラスメイトも去年と同じメンバーだから、やっぱり同じ場所か。


真ん中の列の、前から3番目の席に座り、ぐぐっと腕を伸ばした。


時の流れは早いなぁ。
この前入学したばっかりだったのに、もう3年生かぁ。



「景斗、おはよう」

「おぅ、おはよ!」



黒板に書かれた今日の予定をぼーっと眺めていると、1年の頃からのクラスメイトの西尾 東馬(にしお とうま)がやってきた。

品が漂う端正な顔立ちで、中学時代から今までずっと成績トップを維持している優等生。

人当たりがいい社交的な性格の持ち主だ。



「なぁ、今日実玖(みく)ちゃん借りていい?」

「ん? 別にいいけど。もしかしてデート?」

「……うん」



フフフと照れ臭そうに笑う東馬。

実玖は同じ学校に通っている1個下の妹。そして東馬の彼女でもある。
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