お日さまみたいな温かい君に包まれて
委員長の質問に丁寧に答えた先生。


昔話か……それはいいかも。


ただ、俺の家はお盆に帰省する習慣がないから、直接聞くのは難しそうだ。

電話だと通信料がかかりそうだし、メールだと打つのが大変だし。


お父さんとお母さんに、学生時代に流行った物を聞いてみるか。



◎◎●



「雪塚さんは何にするか決めた?」

「まだ。夏休みはオープンキャンパスに行くから、手間がかからないものにするつもり」



雪塚さんと一緒に下校しながら、自由研究の話をし合う。


進学希望の人は、学校決めや受験勉強で忙しいたま、あまり宿題に時間をかけたくないらしい。

東馬も、終業式が終わったらじいちゃんとばあちゃん家に話聞きに行くって言ってたもんな。


俺もバイトがあるから、なるべく宿題は早く終わらせたい。宿題のことも短冊に書いておけば良かった。



「あ、今日七夕だけど、雪塚さんは何お願いした?」

「あぁ、色々書きたかったけど、シンプルに『無事に卒業できますように』って書いたよ。清水くんは?」

「俺は成績のことを書いたよ~」



厳選して1個だけ書いた雪塚さんに対し、成績以外にも、健康と恋愛のことを書いた自分。

欲まみれな自分が急に恥ずかしく思えてきた……。
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