お日さまみたいな温かい君に包まれて
「そ、そういえば、もうすぐ三者面談だね。雪塚さんは、成績自信ある?」



恥ずかしさから逃れたくて慌てて話題を変えた。

けど……わざわざ尋ねなくても良かったかもしれない。


雪塚さんは毎回、クラスで2番、学年で15番以内をキープしている。

勉強に励んでいたのもあってか、なんと今回、英語の点数が万年首位の東馬よりも上だったのだ。



「んー……どうだろう」



笑顔を浮かべた雪塚さん。だけど……口元が引きつっている。


あんなにいい点取ってたのに、あんまり嬉しくなさそう……?

もしかして、他の教科が悪かったのかな?



「清水くんは? 現代文で90点台取ってたよね?」

「あぁうん。嬉しくてお母さん達に報告したら、ご褒美にケーキ買ってくれるって」



1時間目が終わってすぐ両親に報告した後、昼休みに返事が来て、お父さんが仕事帰りにケーキを買ってきてくれることに。

今日は特別に七夕のケーキを買ってきてくれるらしい。



「へぇ~! 先月も誕生日でバウムクーヘン食べて……もうお菓子祭りじゃん!」

「えへへ~」



ちょうど1ヶ月前に、雪塚さんとデパ地下に行った時に見つけたバウムクーヘン。

あの後、家族みんなに相談してオッケーをもらい、後日購入し、誕生日ケーキと一緒に食べたのだ。
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