お日さまみたいな温かい君に包まれて
バウムクーヘンも美味しかったけど、雪塚さんが作ってくれた豆腐ドーナツも美味しかったなぁ。


実は、誕生日が登校日だったから、クラスメイト達がお菓子をたくさん持ってきてくれて、盛大に祝ってくれたんだ。

みんなからは市販のお菓子をもらったんだけど、雪塚さんは俺のためにドーナツを作ってきてくれて……。

昼休みにじっくり味わいながら食べてたら、喜び度に差がありすぎて、クラスメイト達にめっちゃツッコまれたっけ。


雪塚さんの誕生日は2学期入ってすぐだったから、夏休み中にお返しを考えておこう。



◎◎◎



「うぅ~、あっちぃ~」



1週間後。
現在、教室前の廊下で、母と一緒に椅子に座って待機している。

廊下には冷房はなく、窓が開いているだけ。
しかし、無風なため涼しさはゼロ。


外は曇っているけど、時々雲の隙間から青空が見えている。

今週、梅雨明けだっけ。
いよいようだるような暑い日々がやってくるのかぁ~。


持ってきたミニ扇風機を最大風量にして体温を下げる。



「景斗、もう少し声抑えなさい。葵ちゃんに聞こえちゃうわよ」



母にこそっと耳打ちされ、ピシッと姿勢を正した。

今日は三者面談の日。
実は今、雪塚さんが教室で面談中なのだ。
< 106 / 239 >

この作品をシェア

pagetop