お日さまみたいな温かい君に包まれて
「うちの子が騒いじゃって申し訳ありません」

「いえいえ、大丈夫ですよ。雪塚さん、ですよね? 息子がいつもお世話になっております」

「あら? そうなんですか?」



頭を下げ合う母親達。


その後ろから、雪塚さんが少し俯き気味で出てきた。
よく見ると、目が赤く充血している。

やっぱりあの声は……。



「大丈夫……?」

「うん……ごめんね」



恐る恐る声をかけるも、気まずそうに視線を逸らされてしまった。

先生とケンカ? と思ったけど、タメ口だったから、多分お母さんに言い放ったんだろう。


涙目になるくらい酷いケンカだったのか……?


心配だけど、こういうデリケートな問題に踏み込むのは、いくら友達でもあまり良くないよな……。
拒絶されるかもしれないし。



「清水さん、娘と仲良くしてくれてありがとうございます。お先に失礼します」

「あぁいえ、こちらこそ……」



再びペコッと頭を下げ、雪塚さんのお母さんは雪塚さんの腕を引っ張って足早に去っていった。


なんか……厳しそうなお母さんだったな。


口うるさいって言ってたから、うちのお母さんと似た感じなのかなって思ってたけど……近寄りがたい雰囲気だった。

醸し出すオーラも、親子で似るんだな。
< 108 / 239 >

この作品をシェア

pagetop