お日さまみたいな温かい君に包まれて
成績表をもらった後は、進路の話題へ。

バイト先にもらった説明書を交えて話し合う。

ほぼ内定が出ているけど、夏休み明けに生徒指導の先生とも改めて相談することに。


特に問題もなく、約15分間の面談が終わった。



「あの……雪塚さん、何かあったんですか?」



去り際、机の上を片づけている先生に恐る恐る尋ねた。

面談に集中していたけれど、あの悲しそうな顔がどうしても頭から離れない。


本人に直接聞けないので、先生に彼女に何があったのかを聞き出す。



「……その様子だと、外に聞こえてたのね。考えのすれ違い……ってところかな」

「そう、ですか……」



廊下にまで聞こえるぐらい大声を上げていたわけだから、ケンカの内容を知っているはず。

だけど、個人的な問題に当たるため、ちょっと答えを濁されてしまった。



「本当に雪塚さんのことが好きなのね」

「えっ……!」



う、嘘だろ⁉ 先生にまでバレてるのか⁉
クラスメイトに比べて関わる時間少ないのに!

相当顔や行動に表れてたってことか……。



「もし悩んでいるようだったら、相談に乗ってあげて。彼女、色々1人で抱え込む傾向があるから」
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