お日さまみたいな温かい君に包まれて
駐車場に車はなく、雪塚さんの自転車だけがポツンと端っこに置かれている。


前来た時は黒い車が停まってたから、多分お母さんがいたと思うんだけど……いないということは、買い物に行っている可能性が高い。

お父さんはまだ仕事中だと考えると、家にいるのは弟くんくらい。



「……いないよ」



短い返事が聞こえ、玄関のドアが開いた。

受験生で家にいるかと思ったけど、勉強しに午後から図書館に行くと言っていたらしい。


お昼食べた後に図書館に戻ったから、もしかしたらすれ違ってた?
いや、それよりも。



「1人で大丈夫……?」

「大丈夫、寝てれば治るから。送ってくれてありがとう」

「……待って! ……部屋まで送るよ」



○○○



「さ、どうぞ」

「お邪魔します……」



背中を丸めて恐る恐る中に入った。

体調が悪い雪塚さんをどうしても1人にしておけなくて、家族が帰ってくるまで付き添うことに。
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