お日さまみたいな温かい君に包まれて
玄関には白いマットが敷いてあって、靴箱の上と窓際には小さな観葉植物が置いてある。

壁や床も白と黒で統一されていて、外観と同じく落ち着いた印象。


まさかこんな形で家にお邪魔するなんて思ってなかった。

単に心配なだけで、やましい気持ちはさらさらないけど、ちょっと緊張する。



「無機質な家でごめんね」

「あっ、ううん! めっちゃ綺麗でビックリした! 俺ん家ごちゃごちゃしてるからさ」



靴を脱いで家に上がり、彼女の部屋がある2階へ。


どうしてこんなにドキドキしているんだろう。

好きな人の家だからってのもあるかもしれないけど……なんか妙なんだよな。


冷房もついてなければ、窓も閉めきっていて暑いのに、なぜか家の中が冷たく感じる。
霊感は全くないのに……なんでだろう。



階段を上がり、床と同じ色のドアの前に到着。

中へ入ると、さっきまで感じていた謎の冷たさがスーッと消え去っいった。



「お邪魔しまーす……」



頭をぶつけないよう、再び猫背で足を踏み入れる。


目に飛び込んできたのは、机の上のスケッチブックと色鉛筆。

そういえば、前に塗り絵してるって言ってたっけ。
色鉛筆が何本か散らばっているから、まだ塗りかけっぽい。
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