お日さまみたいな温かい君に包まれて
本棚に視線を移すと、以前オススメしてもらった本をはじめとする小説や、デッサン集、色の辞書みたいな本がズラーッと並んでいた。

うわぁ、ザ・美術部って感じ。絵が上手いのも頷ける。

あ、ゲームソフト発見。

パズルゲームと……あっ、バトルゲームもあるじゃん! 何のキャラ使うんだろう?



「散らかっててごめんね」

「え⁉ いや全然! 俺の部屋に比べたらめっちゃ綺麗だよ!」



いけないいけない、遊びに来たわけじゃねーんだから。
仲がいいからといって、勝手にジロジロ見ちゃダメだ!



「何か飲み物持ってくるよ! 冷蔵庫借りるね!」

「うん……ごめんね、ありがとう」



雪塚さんをベッドに座らせ、上着を脱ぐよう促し、興奮して踊り狂う心を冷ましにリビングへ向かった。


……さっきから謝ってばかりだな。ちょっと強引だったか?
でも、何かあってからじゃ遅いし。早く誰か帰ってきてくれ。


薄暗い廊下を歩き、すりガラスのドアをそっと開ける。



「っ……」



足を踏み入れた瞬間、心臓がドクンと音を立てた。


テレビ、ソファー、テーブル、本棚、観葉植物。

自分の家よりもかなり整理整頓されていて、置いてある家具の種類は自分の家とほぼ一緒。

なのに……。
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