お日さまみたいな温かい君に包まれて

飲み物を取りにキッチンへ向かう。

リビングと同様に、流し台、コンロ、作業台も綺麗に片づけられている。


ただ、家に入った時に感じた時とは比べ物にならないくらい、空気が冷めていた。


寂しくて、悲しくて、苦しくて、時々威圧感があって。


なんだろう、「今すぐここから逃げ出したい!」って、身体中が叫んでいるような感覚。



「はい、どうぞ」

「ありがとう」



ガラスのコップに水を注ぎ、彼女に手渡す。

孤独感で潰されそうになって、急いで部屋に戻ってきた。


……やっぱりこの部屋だけは違う。

さっきまで感じていた息苦しさが、またスーッと消えていった。
一体何が起きているんだ……?



「ねぇ、睡眠は取れてる?」

「うん、一応」

「そっか。夢は見る?」

「ここ最近は毎晩見てるかな」



毎晩だとすると……熟睡できてないってことか。

睡眠の質が良くないと目覚めが悪かったり、あまり疲れが取れないっていうからなぁ。


この家、異様な空気が漂っているから、悪夢を見てる可能性もあったりして。
あと、金縛りとか、ラップ現象とか、ポルターガイストとか……!
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