お日さまみたいな温かい君に包まれて
中に入っていたのは、ここの遊園地のチケット。しかも2枚。

割引券じゃなくて、入園料とフリーパス料が無料になるやつだ。


もしかして、俺が落ち込んでるのを見てわざわざもらってきて……。



「学生最後の夏休み、思いっきり楽しみな」

「ありがとうございます……!」



優しい先輩に、家族、友達、先生。
人に恵まれているのを実感し、じーんと目頭が熱くなった。


あぁ……幸せすぎて涙出そう。

俺もいつか、松尾さんみたいな包容力のある優しい人になりたい。いや、なってみせる!



○◎○



「おぉ~、すんなり決まって良かったな」

「あぁ、今まで約束した中で最速だったよ」



数日後、遊園地デートの相談をするために、東馬をファミレスに呼び出した。


チケットをもらった後、すぐ連絡して予定を確認したところ、奇跡的にお互い休みの日が被ったのだ。

日程は今度の日曜日。天気も晴れの予報。
午前中から夕方までみっちり遊ぶ予定だ。


初デートが遊園地になるとは思ってなかったけど、雪塚さん喜んでたし、良しとしよう!



「それで、一応回るアトラクションを考えてきたんだけど……」
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