お日さまみたいな温かい君に包まれて
……と、自分に言い聞かせながら、ステーキをモグモグと頬張る。
数日前に心配していた食欲は、チケットをもらったその日に回復した。
我ながら単純だなとつくづく思う。
「それで、告白はいつするか決めた?」
「ん、一応。東馬は学校の階段で告白されたんだっけ」
「う、うん。文化祭終わりの放課後にな」
せっかくの遊園地だから、ロマンティックな雰囲気の中でしたいなと思い、ベタだけど、観覧車の頂上で告白することにした。
それにしても……あの引っ込み思案だった実玖が、自分から告白したなんてなぁ。
普段はあまり照れない東馬がここまで顔を緩めるって、一体どんな風に告白したんだろう。
「ごちそうさまでした。告白頑張れよ」
「おぅ。また出校日にな」
昼食を終えてファミレスを後にし、東馬と別れて帰路へ就く。
成功して両想いになれたら嬉しいけど、元々は、卒業するまでに気持ちを伝えたいって思っていただけなんだよな。
「友達のままでいたい」ってフラれる可能性もある。
けど……上手くいかないってまだ決まったわけじゃない。
成功するかどうかなんて、やってみないとわからないし。
緊張するけど、もう腹をくくったんだ。あとは全力でぶつかるだけだ。