お日さまみたいな温かい君に包まれて
えっ? なんで慌ててんの?

も、もしかして、雪塚さんも俺のことを……⁉


なーんて、一瞬だけ淡い期待を寄せてみたものの。



「その……男の子から遊びに誘われたの、初めてだったからビックリして。ありがとう」

「あ……ううん、こちらこそありがとう」



……だよなぁ~! そんな都合のいいわけないよなぁ~!

危ねぇー! 口走らなくて良かったー!


りんごみたいに顔を赤く染める彼女とは反するように、速まった胸の鼓動がスーッと落ち着いていった。


ってか、今まで男子から遊びに誘われたことがないってことがめちゃめちゃ不思議なんだけど。

話してて楽しいし、優しいし、勉強できるし。
おまけに美人さんだし。

本当に誰からもアプローチされたことがないわけ?


あぁでも、逆に完璧すぎて、高嶺の花みたいになってるから、近寄りがたいって思われているのかもしれない。

俺も最初は話しかけるのが恐れ多かったっけ。



「あ、西尾くんは一緒に行かなくて大丈夫?」

「へ?」



すると、雪塚さんが思い出したように隣の席に座っている東馬に尋ねた。

間抜けな返事と表情。ぼけーっとしてて話を聞いてなかったようだ。
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