お日さまみたいな温かい君に包まれて
「あー、終わっちゃった。ちょっとトイレ行ってくる。あ、登校日、東馬先輩と遊んでくるね」

「おー、いってらー」



トイレ休憩しに行った実玖に背を向けたまま返事をした。

登校日ぃ? またデートすんのかよ。こないだもデートしてたよな?

リア充め……。



「『またデートかよ』ってやきもち妬いてる?」

「えっ⁉ なんでわかったの⁉」

「顔に書いてある」

「っ……」



顔が熱くなるのを感じ、花火のほうに視線を落とす。

暗くて見えづらいけど、今耳まで真っ赤だと思う。


東馬も実玖も、付き合い始めてから一段と元気になったから嬉しい。

けど……その分実玖に頼られることが減った。


成長したんだなって喜んではいるけど、本音を言うとちょっと寂しい。

こんなこと思ってるからシスコンって言われるんだろうな。



「東馬と過ごす時間も、家族団らんの時間も減ったから寂しいなって」

「そっかぁ。2人とも可愛いもんね。溺愛したくなるのもわかるよ」



……俺、「溺愛してる」なんて一言も言ってないのに。

恋心だけじゃなく、家族愛までだだ漏れしてたのかよ。恥っっず。
< 183 / 239 >

この作品をシェア

pagetop