お日さまみたいな温かい君に包まれて
「ん……? 今、『2人とも』って言わなかった?」

「うん。西尾くんのことも可愛がってるよね? 先週、清水くんにお昼ご飯奢ってもらったって聞いたよ?」



あいつ……またベラベラしゃべりやがったな。

東馬のことは友達として好きだけど、決して可愛がっているわけではない。
単に他の友達よりも、ちょこっとスキンシップが多いだけ。



「清水くんは友達思いで優しいね」

「えー、優しいかな? いつも世話になってるからお礼しただけだよ」



っ……ただでさえ今2人きりなのに、その姿で可愛く笑わないで。落ち着いてきた心臓がまた暴れ出しちゃう。

実玖、早く帰ってきてくれ。





「実玖ちゃん遅いね。どうしたんだろう」

「うん……」



吹き出し花火が全部が終わり、宙に白い煙が舞う。

ったく何やってんだあいつは。踏ん張ってんのか? 残りの花火も全部やっちゃうぞ。


すると、リビングの窓がガラッと開いた。



「景斗、もうすぐ11時になるから、切りのいいところで終わらせて」

「はーい。なぁ実玖は? 便所行ってから全然戻ってこないんだけど」

「あぁ、東馬くんと電話してるみたいよ」
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