お日さまみたいな温かい君に包まれて
翌日。
“次は◯◯一丁目、◯◯一丁目……”
バスに乗って、いつものように窓際の席に座り、流れる景色を眺めながら仕事場へ向かう。
昨夜、告白した後、逃げるように家に戻って、そのまま急いでお風呂に入った。
時間も日付を回る頃だったから、顔を合わせることなく就寝。
そして今朝、いつもより少し早く起きると、雪塚さんは母と一緒に朝食を作っていた。
その後、家族みんなでご飯を食べて、約束通りゲームをして、俺が家を出る時間ギリギリまで楽しんだ。
昨夜の別れ際が最悪の空気だったから、顔を合わせるのが怖かったけど……何事もなかったかのように接してくれて、ちょっとホッとした。
……でも、家族の前だったから、気を遣っていたのかもしれない。
暗い顔してたら、ケンカしたの? って問い詰めてきそうだし。
特に実玖とお母さんは、俺の恋愛事情を知っているからな。
バッグからスマホを取り出し、時間を確認する。
12時16分。
俺が家を出る時はまだ実玖の部屋にいたみたいだけど、午前中の間だけお邪魔するって言ってたから、もう帰っちゃったかな。
「もう1回謝ったほうがいいかな……」