お日さまみたいな温かい君に包まれて
全身オシャレな服に身を包んでやって来たのは、2歳年上で高校の先輩である竹村(たけむら)先輩。

このバイトに誘ってくれた先輩でもある。


ちなみに、社員の話をくれたのは松尾さん。

休憩時間中にこの3人で、『◯◯先生って、今いる?』とか、『あの先生の授業、面白いよな~』とか、学校の話をしては時々盛り上がっている。



「あれ? 今日は梅ちゃんいないの?」

「あぁ、今日は休みだよ」



松尾さんのあっさりした返事に、先輩はガクッと肩を落とした。


梅ちゃんというのは、春休みに入ってきた、俺と同い年のバイトの女の子。

名字が梅田(うめだ)なので、みんなから梅ちゃんと呼ばれている。



「なぁんだ、バッチリオシャレしてきたのにぃ」

「残念だったな。ほら、早く着替えて」

「はぁーい」



ちょっぴり拗ねた様子で更衣室に入っていった。


竹村先輩は、梅ちゃんのことが気になっているらしく、毎回バチバチにオシャレして出勤して来る。


だがしかし、彼女は先輩のことは全く眼中になく、むしろ、「チャラい」と一蹴(いっしゅう)している。


かくいう自分も、『うるさい、もう少し静かにして』と冷たく言い放たれたことがあったっけ。

梅ちゃんは可愛い系の顔立ちなんだけど、外見に似合わず、中身がめっちゃクールなんだよな。
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