お日さまみたいな温かい君に包まれて
心臓がバクンと音を立て、額から冷や汗が流れた。

な、なんで知って……まさか爽汰も⁉



「さっき買い物に出かけた時、葵ちゃんのお友達に会って、あなた達が遊園地で遊んでいたのを見たって。まさか姉弟揃ってサボってたなんて、お母さん本当恥ずかしかったわ」



やっぱり……だから暴れてたんだ。


……いや待て、爽汰は嘘がバレたくらいで怒鳴るタイプじゃない。

恐らく、他にも理由があって、怒りが積もりに積もって爆発したんだと思う。


じゃなきゃ、親がいる前で部屋を荒らすなんて、ましてやガラスを割るなんてできない。


それにしても一体誰?

由菜ちゃんには、『親に黙って来てるから内緒にしてて』って口止めしたはず。


もしかして、あの同級生のうちの誰かが……?



「友達と遊んでいた爽汰はともかく、あんたは男の子と一緒にいたらしいじゃない。またデート? 本当懲りないわね」



「受験生が色気づいて……」と母の口から溜め息が漏れた。

一方的に言葉を吐き続けるお母さんに対し、お父さんはずっと黙って睨んでいる。


さっき私のこと、人生失敗って言ってたよね。

高校に入ってからほとんど会話しなくなったけど、やっぱりお父さんも私のこと疎ましく思ってたんだ。
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