お日さまみたいな温かい君に包まれて
あぁ、この家はもう狂ってる。

親という立場を利用して権力を振りかざし、子どもを支配する。


『あなた達には辛い思いはさせないからね』って抱きしめて言ったのは誰?
『幸せになるんだぞ』って笑顔で言ったのは誰?

自分の親のようには絶対ならないと決めたのに、結局同じことの繰り返しじゃないか。



「どうしても謝りたくないのね。……産まなきゃ良かった」



不登校になっても、私は1日たりとも約束を破ったことはなかった。
夢のために、部屋にこもって毎日勉強し続けた。

なのに……っ。



「私だって、こんな家に生まれたくなかった……‼ 私のことを信じてくれるお父さんとお母さんのところに生まれたかった……‼」



じわりと込み上げる涙をこらえて叫び、散らばっていた土を拾って両親に投げた。


しかし──我に返った私は、叫んだことを心底後悔した。

なぜなら、母の手に大きめのガラスの破片が握られていたから。


逃げろ。
再び直感が働き、急いで立ち上がったのだけど……。



「そんなにお母さんが嫌いなのね……⁉ そんなにお母さんが邪魔なのね……⁉」

「バカ! やめろ!」

「ここまで育ててあげたのに‼ 恩知らず‼」
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