お日さまみたいな温かい君に包まれて
バッグから教科書を出して棚に戻そうとしたけれど……何かが違う。

教科書は自分のだし、ノートも問題集も棚に全部入ってる。なんだ……?


違和感の正体を探していると、本棚に置いてあるデッサン集に視線が止まった。



「まさか……ね」



どうして今日はやけに直感が働くんだろう。

恐る恐る取り出して開くと、読めないぐらいにページが細かく切り刻まれていた。


酷い……一体誰が……。


ハッと気づいた私は、今度は慌ててゴミ箱の中を覗いた。

そこには無惨にも、色鉛筆が半分に折られて全て捨てられていた。



「嘘……なんで……っ」



ゴミ箱を漁って、折れた色鉛筆を取り出していく。


すると、色鉛筆の下に、細かく破かれた紙が大量に重なって山を作っていた。

これ、まだ塗りかけの絵……。


酷い、酷い、酷い……‼



「ああああぁぁっっ‼」



なんでこんなに邪魔されなきゃいけないの⁉

そんなに私のことが嫌いなの⁉
そんなに私が夢を目指すのが気に食わないの⁉


散乱したゴミの上に膝から崩れ落ちた。


もう嫌だ、もう疲れた、もう全部投げ出したい。


それか──ここから消えてしまいたい。
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