お日さまみたいな温かい君に包まれて
内心ドキドキしつつ、テーブルの前に腰を下ろして様子をうかがう。



「これ、お母さんね」

「おぅ」



3年3組のページが開かれ、自身の写真を指差した母。
写真の下には前田と書かれている。母の旧姓だ。

お母さんの高校時代の写真、初めて見た。

今から30年くらい前かぁ。化粧してないだけであまり変わってないな。



「ちょっと老けたけど面影あるね」

「まぁね。で、ここからが本題なんだけど……」



話を切り出し、今度はクラスメイトの写真を指差した。

お母さんとは違って、落ち着いた雰囲気の佐伯さんという女の子。



「友達?」

「いや……友達になりたかった子。この顔、どこかで見たことない?」

「え?」



顔を近づけ、目を凝らす。

友達作りが得意なお母さんでも、友達になれなかった子……確かに、陽気なお母さんとは正反対の印象だけど。



「俺会ったことあるの? いつ?」

「先月。お母さんもその時一緒だったよ」



ええっ⁉ 先月⁉ 最近じゃん!
こんな真面目そうな女の子……女の人と会ったっけ⁉

お母さんと一緒に行動してたの、三者面談くらいしかな…………ん? 三者面談?
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