お日さまみたいな温かい君に包まれて
もう1度写真に目を通す。


他の人達より、ちょっぴり険しい表情で、近寄りがたい雰囲気をまとっている彼女。

このお堅い印象は見覚えがある。



「……もしかして、雪塚さんのお母さん?」



恐る恐る尋ねると、母はコクリと頷いた。



「ええっ⁉ 同級生だったの⁉ ってか、クラスメイトなのに気づかなかったの⁉」

「気づいてたらもっと話しかけてたわよ。30年近く会ってないんだから、すぐわかるわけないでしょう」



どうやら、昨日雪塚さんと話した際、母親の地元が同じと判明し、もしかしたら……と思い、卒業アルバムを引っ張り出したらしい。


なんで地元が同じってだけで、学校も同じかもって思ったんだよ。

しかも30年も会ってないって、同窓会なかったのかな?



「それで? 雪塚さんのお母さんがどうかしたの?」

「実は……三者面談の時の葵ちゃんが、高校生の頃の葵ちゃんのお母さんにそっくりだったのよ」



は……? そっくり? 顔のこと?

確かにちょっと似てはいるけれど、雪塚さんはここまで険しい顔してないぞ。



「どういうこと? わかりやすく説明して」

「あぁ……ちょっと言葉で説明するのは難しいから、絵に描いて説明してもいい?」

「おぅ……」
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