お日さまみたいな温かい君に包まれて

言い終わる前に膝立ちして迫ってきた。

ちょっ、目怖いって。顔面蒼白になってるし。
なんかさっきから様子おかしくね? 大丈夫か?



「ねぇどうしたの? 説明してよ」

「実は……っ、佐伯さんも体にアザがあったの……」



えっ、母親も……?

待って待って、雰囲気やら悩みやら、それにアザまでって……親子でここまで似る?


話によると、手足に複数のアザがあり、いつも長袖を着て隠していたらしい。

俺みたいに、偶然保健室で会った時に見つけてしまったんだそう。


しかも──。



「佐伯さんも葵ちゃんと同じ美術部だったから、運動が原因じゃなさそうだなって思って。それで、『誰かに殴られたの?』って聞いたんだけど、『転んでぶつけただけ』って言われたのよ」

「マジかよ……」



度重なる一致にゾワッと鳥肌が立った。


質問も答えも、部活も場所も気持ち悪いぐらいほぼ一緒。
ここまで来るともう笑えなくなってきた。



「でも、ぶつけただけなんだよな? 大ケガしたわけじゃないんなら、そこまで気にしなくても……」

「お母さんも最初はそう思ってた。でも違った。あのアザは殴られてできたものだったんじゃないかって思ったの」
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