お日さまみたいな温かい君に包まれて
2 隠されたアト
5月。GW明けの登校日。


席に座って、バイトで疲労が溜まった肩をゴリゴリと回し、腕をぐぐっと伸ばしてストレッチ。


朝から夕方までみっちり働いたから、全身が筋肉痛を引き起こしている。

けど、頑張ったな~って感じがして、むしろ快感。


フフフ、これでかっこいい浴衣が買えるぞ~!



「ニヤニヤしてますね〜。何見てるの?」

「ん? 給料表」



隣からにょきっと顔を出してきた東馬にスマホの画面を見せた。

バイトの日の欄に時給と時間を書いて、その日にいくら稼いだかがわかる表を作ったのだ。

これを作ってから格段にモチベーションが上がったので、家のカレンダーにも書き込んでいる。



「お~、けっこう稼いだな。GW大変だっただろ」

「まぁな。でもそこまで苦じゃなかったよ」

「おぉーっ、さすがスポーツマン」



元々体を動かすことが好きで、小学生の頃から数年間バスケをやっていた。

中3の時にケガしちゃってから辞めちゃったけど。


あの時はマジでへこんで、しばらく引きこもってたっけ。


高校に入る頃にはすっかり治ってたけど、フラッシュバックするのが怖かったから、部活には入らなかった。

けどその分、今は帰宅部を満喫している。
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