お日さまみたいな温かい君に包まれて
これ以上はやめておこうと、ノートを閉じる。
でも……どうしても親のことが頭から離れない。
直接聞けばいいんだろうけど、雪塚さんのこれまでの言動と性格上、多分聞いても、「大丈夫、気にしないで」って答えそう。
だって母親みたいにアザ隠してたし。
何かあってからじゃ遅いし、とりあえずアザのことだけでも知りたい。
心の中で彼女に謝罪し、3年生の日記帳を開く。
確か最初に見たのはGW明けだった気が……ん?
『20××年 5月3日
朝から勉強してたら、突然お母さんのほうのおじいちゃんとおばあちゃんが家にやってきた。
2人を見るやいなや、お母さんはハサミを持って取り乱して、お父さんはお母さんを必死に止めて……地獄絵図だった』
心臓がドクンと音を立てた。
さっきお母さんが泣きながら話してくれた通り、やっぱり親に酷いことされてたんだ。
じゃなきゃ、普通姿見ただけで取り乱さないよ。
雪塚さんは直接被害は受けてないとわかり、ホッとしたものの……胸騒ぎが収まらない。
ページをめくる手が震えて、目頭がじわりと熱くなる。
お願い、無事でいてくれ──。
「清水くん!」