お日さまみたいな温かい君に包まれて



「清水くんの前で吐き出したこと、全部言ったんだ。まぁ……酷い親とはいえ、生んでくれてここまで育ててもらったわけだし。環境は荒れてるけど、自分の好きなことできてるから、あまり強くは言えなかったけどね」



その後、感謝を伝えて再度謝り、希望する学校に進学する許可が下りた。

ただ、両親共に親に似て頑固なため、完全な和解には時間がかかるかもしれないとのこと。

だがしかし。



「でも、爽汰とは仲直りできたんだ。ずっと嫌われてると思ってたけど、ただ反抗期なだけで、『姉ちゃんのせいじゃないよ』って言ってくれた」



受験に失敗して以来、ギクシャクしてた弟くんとも話し合って無事和解。
昔みたいに会話を交わすようになったらしい。



「そっか、良かった。もうアザは作ってない?」

「うん」

「壁とか机とか椅子とかにぶつけてない?」

「ないよ! ほらっ!」



半袖のシャツをさらに捲って、無傷だとアピールする雪塚さん。

これまで目にしたアザは、ストレスや怒りを抑えるために自分で作ったもので、額のアザは父親が投げたリモコンが当たってできた。
と、日記に記してあった。

荒れた両親だけど、今まで直接殴られたことはないとのことでホッとした。
< 225 / 239 >

この作品をシェア

pagetop