お日さまみたいな温かい君に包まれて
「清水くんの前で吐き出したこと、全部言ったんだ。まぁ……酷い親とはいえ、生んでくれてここまで育ててもらったわけだし。環境は荒れてるけど、自分の好きなことできてるから、あまり強くは言えなかったけどね」
その後、感謝を伝えて再度謝り、希望する学校に進学する許可が下りた。
ただ、両親共に親に似て頑固なため、完全な和解には時間がかかるかもしれないとのこと。
だがしかし。
「でも、爽汰とは仲直りできたんだ。ずっと嫌われてると思ってたけど、ただ反抗期なだけで、『姉ちゃんのせいじゃないよ』って言ってくれた」
受験に失敗して以来、ギクシャクしてた弟くんとも話し合って無事和解。
昔みたいに会話を交わすようになったらしい。
「そっか、良かった。もうアザは作ってない?」
「うん」
「壁とか机とか椅子とかにぶつけてない?」
「ないよ! ほらっ!」
半袖のシャツをさらに捲って、無傷だとアピールする雪塚さん。
これまで目にしたアザは、ストレスや怒りを抑えるために自分で作ったもので、額のアザは父親が投げたリモコンが当たってできた。
と、日記に記してあった。
荒れた両親だけど、今まで直接殴られたことはないとのことでホッとした。