お日さまみたいな温かい君に包まれて
「おはよう……っ!」
午前7時28分。ようやく髪型が完成。
鏡で全身をチェックして、急いで外に出た。
「おはよう!」
「っ、遅れてごめんね……」
「ううん、俺が早く来ただけだから気にしないで」
ニコッと歯を見せて笑った景斗くんに胸がときめいた。
雨にも関わらず、髪の毛サラサラでうねりなし。
確か梅雨の時もだったよね。
髪質がいいのか、それとも念入りにセットしているのか。
んー、オシャレな景斗くんなら後者かな?
「今日みつあみなんだ。可愛いね」
「あ、ありがとう……」
もう……景斗くんってば、朝からサラッと褒めないでよ。
でも嬉しい。変更して良かった。
「爽汰が変なこと言ってごめんね。ダーリンとか頭爆発してるとか。気にしなくていいから」
「へ? ダーリン? 何のこと?」
「え? 爽汰に何か言われたんじゃないの?」
「いや、『今準備中です』としか言われてないけど……」
爽汰め……! 帰ったらタダじゃおかないからな……!
「あ、そうだ。誕生日おめでとう。これ、俺からのプレゼント」
荒れ狂った心を深呼吸と雨音で鎮めていると、景斗くんからラッピングされた傘をもらった。