お日さまみたいな温かい君に包まれて
○○◎



「景斗~! お疲れ~!」

「おぅ、お疲れ」



授業が終わり、火照った体を冷ますように服をパタパタさせながら更衣室へ向かう。

ウォーミングアップとイメージトレーニングを念入りにしたのもあってか、結果、ボール投げも50メートル走も自己ベストを叩き出すことができた。


ただ、1つだけ気になったことが。



「なぁ、今日みんなから視線を感じたんだけど、俺の顔に何かついてた?」

「いや? 何もついてなかったよ?」

「そう……」



東馬に尋ねてみたものの、あっさりと言い切られてしまった。

チラチラ見られてた気がしたんだけど……気のせいだったか。


そう思った瞬間。



「もしかしたら、授業中、よそ見してたからじゃない?」



ニヤリと口角を上げている東馬。

よそ見って……雪塚さんに見惚れてたの見られてたってこと⁉



「……全部見てたのかよ」

「うん。お前わかりやすいんだよ。2年の頃からずっとデレデレしてたし。多分、クラスメイト達も気づいてると思うぞ」



最後の言葉が頭をゴーンと揺らした。


俺の恋愛事情、クラスメイト達にだだ漏れだと……⁉

どうりでなんかニヤニヤしてる人もいるなぁって思ったら……そういうことだったのか。
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