お日さまみたいな温かい君に包まれて
5月下旬。
中間テスト1週間前。


バイトもしばらく休ませてもらい、学校が終わると真っ直ぐ家に帰って勉強するように。


3年生で最初のテスト。

ここでの成績が、次の期末テストに影響するため油断はできない。

去年は赤点ギリギリの教科もあったから、今年は全教科平均点を取ることを目標にしよう。


花火デートの約束もあるし、夏休みの補習だけは絶対避けねーと!



「なぁ、最近雪塚さんと仲いいよな」

「えっ?」



昼休み。
授業の復習をしている東馬にそれとなく尋ねてみた。

今月に入ってから、朝の時間にふたりで勉強しているのをよく見かける。


しかも先週は、放課後に図書室で実玖と3人で勉強したらしい。

実玖も勉強できるから、一緒にやらないかって誘ったんだろう。



「やっぱり優等生同士だからはかどるの?」

「ま、まぁ……気になるの?」

「当たり前だろ。毎時間ずっと話してるんだから」



気になってこっそり観察してみたところ、どうやら雪塚さんは、毎時間授業が終わる度に、東馬にノートを見せてもらっているようだった。

今だって隣で──。



「西尾くん、ノートありがとう」

「あぁ、いえいえ~」
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