お日さまみたいな温かい君に包まれて
4時間目の授業のノートを東馬に返した雪塚さん。

テストに向けて徹夜で勉強しているのか、ここ最近、目の下にうっすらクマができている。


そういえば前に、『進学したいけどお金が……』って言ってたっけ。


あの時は特待生になるのを諦めてた感じだったけど……。
やっぱり諦めたくなかったから、試験に向けて勉強を頑張り始めたのかな?



「ごめんね。いつもありがとう」

「ううん。また放課後見せるね」

「っ、あのさ! 俺も一緒に勉強したいんだけど……仲間に入れてくれない?」



仲睦まじく話す2人に思い切って口を開いた。


本当は一緒に勉強したかったけど、ペースについていけないだろうと思って、やきもちを妬いてると思われたくなくて、ずっと言い出せなかった。


だけど、雪塚さんの顔を見たら、どうしても気になっちゃって。


見た感じいつも通りだけど、アザの件もあったし。

それにあの時、フラフラしてて休んでたって言ってたから、ちょっと心配している部分もある。



「もちろん! ね! 雪塚さん!」

「うん。一緒に頑張ろう」

「ありがとう……!」



にっこり微笑んだ2人に心の中でガッツポーズをする。

足手まといにならないように、ペースについていけるように。
5、6時間目から気を引き締めておこう。
< 32 / 239 >

この作品をシェア

pagetop