お日さまみたいな温かい君に包まれて
前回と同様、視線を逸らされた。


ただ、少し違うのは、耳や頬に血色がないところ。

顔には恥ずかしいという感情は一切なく、どうしようという不安の感情が表れている。


これは完全に見られてまずかった反応だ。



「ごめん、何度も見苦しいよね。実は……踊ってストレス発散してたの」

「ええっ⁉」



口から出てきた言葉に思わず大声を上げてしまった。


いつも穏やかで優しくて、満開の花みたいな笑顔を見せていて。

精神的に健康そうに見えたから、ストレスとは無縁なんだろうなと、勝手に決めつけていた。



「えっと……踊り狂ってたとか?」

「いや、狂ってはないよ。アップテンポな曲だったから、リズムに乗りすぎて壁に当たっちゃったんだ」

「そ、そうだったんだ……」



不安な顔してたから、誰かに殴られたのかなって思ったけど……またぶつけただけか。良かった。


……いや、良かったとはいえ、今月で4ヶ所目だ。

腕と脚のアザは治ったみたいだけど、また新しいアザを作ったわけだし……。



「雪塚さん、運動してストレス発散するのはとてもいいことなんだけど、やりすぎると体を痛めちゃうから無理はしないでね」

「うん……わかった」
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