お日さまみたいな温かい君に包まれて
あれこれ思考を巡らせながら、呼吸を整えている彼の服装をチラリ。

淡い緑のストライプシャツに黒のパンツ。
首元には、ゴールドのネックレスがキラリと光っている。


景斗くんは派手な柄の服を着こなしているイメージがあったから、ここまでシンプルな格好は初めて見た。

だけど似合ってる。かっこいい。



「その服……似合うね」

「えっ! ありがとう! 実は、雪塚さんのイメージに合わせて選んだんだよね」

「えっ!」



私をイメージした服⁉
まさか同じこと考えてたなんて……。


景斗くんにとって、私は清潔感がある爽やかなイメージなのか。

嬉しいやら恥ずかしいやら。



「じ、実は私も、清水くんのイメージに合わせて選んできたの」

「マジで⁉ オレンジ色の服珍しいなって思ったんだよ! 明るい色も似合うね!」

「ありがとう……」



照れくさくなって俯いたが、髪の毛をまとめているため、顔が丸見え。

咄嗟に手で隠したものの。



「可愛い……」



隣からポツリと呟いた声が聞こえた。

もう、何言ってるの。全部聞こえてるよ。

互いに顔を背けて、一言も発することなく、少し気まずい雰囲気のまま、私達はバスに乗り込んだ。
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