お日さまみたいな温かい君に包まれて
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バスに揺られること約20分。目的地のデパート付近のバス停に到着。

着いた時には雨は止んでおり、スムーズに下車することができた。



「俺って柑橘系のイメージなの?」

「うん。清水くん、明るくて活発だから」



親世代や祖父母世代のお客さんに混じって、エスカレーターに乗って浴衣売り場がある3階へ向かう。


化粧品売り場を通った時に香水の匂いが漂ってきて、その流れで香りの話題に移った。

清水くんが言うには、私は石鹸やマリン系のイメージらしい。

気分を上げるために石鹸の香りのボディミストを使っているから、多分それが印象に残ったのかもしれない。



「実玖ちゃんから、清水くんは昔から元気いっぱいで友達が多かったって聞いたよ」

「アハハ。そうだね、友達は多かったかも。よくみんなから『お前、悩み事なさそう』って言われたなぁ」



確かに。景斗くんが悩んでたり、落ち込んでいるところを見たことがない。

仮にあったとしても、すぐ前向きに考えて、長い期間引きずらなさそう。



「なんかわかるかも。あまり悩まないタイプ?」

「かも。でも、1回めっちゃ落ち込んだ時があったんだよね。夏休み中だったんだけど、ずーっと引きこもってたよ」
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