お日さまみたいな温かい君に包まれて
「想像つかないでしょ?」と笑う彼に目を丸くした。
嘘……いつもニコニコ元気いっぱいの景斗くんに引きこもってた時期があったなんて。
性格が一変するほどショックだったってことだよね? 一体何があったんだろう。
3階に着き、売り場に移動しながら話を聞く。
「俺が昔バスケやってたのは知ってるよね?」
「うん。小学生の頃からやってたんだよね?」
ずっとバスケに打ち込んでいた景斗くんは、中学3年生の時、最後の大会に向けて、毎日練習に励んでいた。
その結果、予選を勝ち抜いて、全国大会に出ることが決定。
1年の頃からレギュラーに選ばれるくらい上手かったそうで、部員達からの推薦で副部長を務めたんだとか。
「部長と一緒に他の部員を引っ張っていかないと!」と、リーダー意識を高めるため、寝食を忘れるくらい、ずっと練習していたんだって。
「全国大会の数日前に、学校で練習してたんだけど、無理しすぎたせいでちょっとフラフラしててさ。でも、大会直前だったから休みたくなくて。それで、無理して練習してたら、足首グキッてやっちゃって……」
ジャンプしてシュートした際にフラついて着地に失敗し、足首を捻挫。
ギプスをつけないといけないほど酷かったらしく、大会も棄権したそうだ。