お日さまみたいな温かい君に包まれて
────キーンコーンカーンコーン……。


放課後を告げるチャイムが鳴り響いた。

東馬と一緒に昇降口へ向かう。



「東馬は進路どうすんの?」

「服飾系の学校に行こうかなって思ってる。まだ学校は決めてないから、これから見学に行くつもり」

「そっかー」



東馬は服やアクセサリーを作るのが好きで、手芸部に入っている。

どうやら進学して本格的に勉強するらしい。


さっきのホームルームで近くのクラスメイト達に聞いたんだけど、オープンキャンパスに何回も行ってたり、中には1年生の時から進学に向けて勉強に励んでいる人もいた。


みんな真剣に考えてるんだなぁ……。

なんか俺だけのんびりしてる気がする。


っていっても、春休みはほぼ毎日バイトしてたから、別にボーッと過ごしてはなかったけど。


なんだろう。

まだ本格的に就職活動も始まってないのに、自分だけが内定をもらって、もう進路決まりました。みたいな。


これから2学期になるにつれて、みんなバタバタと忙しくなるのに、俺だけお気楽モード。

悪いことしてるわけじゃないんだけど……なんか申し訳ないなって感じ。



「景斗は?」

「俺は一応バイト先から話もらって……今月、先生に話そうと思ってる」

「おぉ~っ。春休み中、ずっと頑張ってたもんな」
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