お日さまみたいな温かい君に包まれて
「その服、気になるの?」

「あっ……お、男物の服って、どのくらいの大きさなのかなって」



鏡で自分の姿を見ていると、背後に景斗くんが現れて体がビクッと揺れた。

ビックリした……心臓止まるかと思った。



「あぁ~、デカいでしょ? 俺、大体Lサイズ着てるんだよね。雪塚さんは?」

「私はMサイズが多いかな……」



鏡越しに会話を交わす。

至近距離で見ると、やっぱり景斗くんって身長高いんだなぁ。

西尾くんと数センチしか変わらないのに、体格差と骨格差があるから、こうやって並ぶと小さく見える。


肩幅広いなぁ。骨格もしっかりしてる。

このまま後ろから抱きしめられたら、すっぽり収まっちゃいそう。


……なんて、ちょっと妄想してみた。



「気になるんなら、今度遊びに来た時貸そうか?」

「えっ⁉」



鏡越しに顔を合わせているにも関わらず、思わず振り向いてしまった。

か、貸そうか⁉
それって、景斗くんの服をき、き……。



「いや、そんな、図々しいこと……」

「あ……ごめん、変なこと言って」



あああ、私のバカ……!
冗談なんだから、軽く流せばいいものを……。

景斗くんごめんね、恥ずかしかっただけなんだ。
本当は雄叫び上げたいぐらいすごく嬉しいの……!
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