お日さまみたいな温かい君に包まれて
試食を終えて、ブラブラとデパ地下を回っていると、左前方の洋菓子屋に女子高生の姿が。

もしかしたら、私達と同じで、テスト期間中だったのかな~と考えながら眺める。


店員さんから装飾が施された紙袋を受け取った彼女。

ショートヘアから覗く横顔がすごく幸せそう。誰かへのプレゼントかな?



「あれ……? 梅ちゃん……?」



微笑ましい光景を眺めていると、突然景斗くんがポツリと呟いた。

視線の先には、眺めていた高校生の女の子。


景斗くんの友達……?



「梅ちゃーん!」と駆け寄っていく彼の後を追う。

すると、私達の存在に気づいた彼女がくるりと振り向き、一瞬目を丸くした後、眉間にシワを寄せた。



「梅ちゃんだよね? 久しぶり~! 元気だった?」

「うん。そっちも相変わらず元気だね」



先程の顔とはうって変わって、呆れたような顔を見せた彼女。


あ、あれ?
なんか温度差があるんだけど……友達じゃないの?



「はじめまして、清水くんのバイト仲間の梅田です」

「あっ、こちらこそ。清水くんのクラスメイトの雪塚です」



互いに自己紹介し、頭を下げる。

梅田さんは私達と同い年で、今日でテストが終わったので買い物にしに来たんだそう。
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