お日さまみたいな温かい君に包まれて
────キーンコーンカーンコーン……。



「気をつけ、礼」

「「ありがとうございましたーっ」」



4時間目が終わり、ぐーっと伸びをする。


くぅ~っ! 楽しかった~!

種類が多くて最初は手こずったけど、意外とできた気がする!

今月テストするみたいだから、バシッとキメられるように今日から練習するか!



「景斗……」

「ん? 何?」



肩をポンと叩かれ振り向くと、そこには絶望的な顔をした東馬がいた。



「ど、どうした? 体調悪いのか?」

「いや、元気だよ」



そう返事をした東馬だけど、どこからどう見ても元気がなさそうだ。

体調が悪いんじゃなくて、気分が乗らないみたいな感じなのか?


更衣室に移動し、詳しく話を聞き出す。



「アイソレーションだっけ? 俺、全然できなかったんだよ」

「え、お前運動得意だろ。本当にできなかったの?」

「あぁ。見ろよ、ほら、全然動かないだろ?」



「ほら、ほらっ」と首を横に動かす東馬。

頑張って動かすも、ものすごく苦しそうに見える。

両肩に手を置いても、両腕を上げても、可動域が狭いからか、動きが固い。


学年トップの優等生が、アイソレーションが壊滅的に下手だったとは……。
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