お日さまみたいな温かい君に包まれて
「ああああ、成績下がったらどうしよう……!」

「落ち着け、まだ時間あるから練習すればできるって」



励ますも、顔がみるみる青白くなっていく。


不安になるのも仕方ない。
中学時代から今までずっと学年トップを走ってきたんだ。


たった首が上手く動かせなくて順位が下がったら、そりゃ悔しいに決まってる。

ここまで来たら、トップで華々しく卒業したいよな。



昼食後。

トイレを済ませて教室に帰っていると、廊下で雪塚さんと東馬が親しげに話しているのを発見。



「隣の人に『ん? なぁに?』って耳を近づける感じ」

「こ、こう?」

「もうちょっと肩下げて。もう1回」

「こう?」

「あー、もうちょっと頭真っ直ぐにして」



近づいてみると、雪塚さんによるアイソレーションの個人レッスンが行われていた。


なんてシュールな光景なんだ。

真剣にやってる2人には悪いけど、笑いが込み上げてくる。



「アイソレの練習中ですかー?」

「おっ、景斗」



笑いをこらえて話しかけるも、東馬の顔を見た途端、我慢できずフフフと吹き出してしまった。
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