お日さまみたいな温かい君に包まれて
「あー! 笑ったな!」

「ごめん……」



手のひらで口を覆って声を抑える。


あんな首が埋もれたまま振り向かれたら、誰だって笑うに決まってるだろ。

しかも顔まで引きつってたし。



「もー! そういう景斗はできるのかよ!」

「んー? 俺はできるぞー。ほらほら~」



見せつけるように首を動かすと、東馬は悔しそうに唇を噛んだ。


おっと。
これ以上やると、「東馬先輩をいじめないでよ!」と実玖からこっぴどく叱られそうだからやめておこう。



「雪塚さんはどのくらい動かせる?」

「私はぐるーっと回せるよ~」

「うわぁぁぁ」



ぐるぐると首を回し始めた雪塚さん。


東馬め……なんて顔してんだ。雪塚さんは化け物じゃねーぞ。

悲鳴を上げた東馬を肘で突いておいた。



「あ、雪塚さん、アザは……大丈夫?」

「うん。治ったからもうないよ」

「そっか、良かった」



ダンスと聞いてアザのことを思い出したので、ちょっと尋ねてみた。


踊りまくってぶつけていたと言っていたけれど、元々部屋に物が多く、以前からよく体をぶつけていたらしい。

それがストレスになっていたとわかり、土日の2日間で大掃除したんだそう。
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