お日さまみたいな温かい君に包まれて
「ウフフ、景斗全然変わってないわね~」

「あぁもう見んなよ! 今片づけてるから出てって」

「はいはい」



長居しそうだったので、少々強引に追い出した。


はぁ……まったく、呑気な母親だ。
じいちゃんとばあちゃんにそっくり。さすが親子。

もうすぐ飯できるみたいだし、気を取り直して、残りもちゃちゃっと片づけちゃいますか。



翌朝。



「あと、フリースペースに魔方陣書いてた人もいたんだよ」

「わ~、中二病っぽい。俺のクラスにもふざけて書いてた人いたな~」



東馬と一緒に卒業アルバムと文集の話を交わす。

やっぱり、どこの学校にも頭がイカれた人はいたんだな。



「景斗もふざけて書いたの?」

「おぅ。でもちょっとだけだぞ。血液型のところに『オウゴンオニクワ型』って書いただけ」

「なんだそのこだわり……」



クワ型は被りそうだったため、ヒラタやノコギリみたいな普通のクワガタではなく、レアな種類にしたのだ。

苦笑する東馬にも尋ねてみる。



「東馬はふざけなかったの? コクワ型とか」

「書いてません。っていうかそれ、間接的にチビ扱いしてるな?」

「あ、バレた? 可愛いからいいじゃん」
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