お日さまみたいな温かい君に包まれて
「なら、昼飯はいらないってことだな」

「うん。夕方までには帰るから」



しばらく見守った後、実玖に昼食の有無と帰宅時間の確認を取った。

これから一緒にご飯を食べに行って、ショッピングモールに服を見に行くらしい。


制服デートかぁ……いいなぁ。



「了解。んじゃ、実玖を頼むな」

「はーい。また明日」



幸せオーラ満開でデートに行った2人の背中をボーッと眺める。


背丈がほぼ同じだからか、距離がすごく近く見える。同時に横を向いたら、目と鼻の先に顔があるくらい。


手を繋いで、指を絡ませて、頬を赤らめて、笑い合って……。


あー! なんか暑いなー! まだ4月だってのによ!

ったく……俺が見てないと思ってデレデレしやがって!

くっそー‼ リア充め‼ いいないいなー‼ 羨ましー‼


…………はぁ、なんかのど渇いてきた。



「清水くんっ」



姿が見えなくなるまで眺めていると、いつの間にか隣に自転車を持った雪塚さんが立っていた。



「その顔、もしかして、可愛い妹を取られてやきもち妬いてるの? それとも、親友を取られてやきもち妬いてるの?」

「……どっちも」
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