お日さまみたいな温かい君に包まれて
「ゆ、雪塚さん……⁉」



匂いをたどった先には、なぜか弁当をモグモグ食べる雪塚さんの姿が。

机の上には紫色のご飯。匂いの正体はこれか……!


彼女の席まで駆け寄り、前の人の椅子を借りて正面に座る。



「お、清水くんも雨宿り?」

「うん。そっちは……遅めの昼食?」

「ううん、食べきれなかった分を食べてるだけ。間食かな」



最後に一口分のご飯をパクっと放り込んで弁当箱を片づける彼女。

まさか飯食ってたとは思わなかった。


あっ、ご飯の匂いが……腹の虫を刺激して……。


我慢するんだ景斗。
お腹に力を入れて鳴き声を止めるんだ!



「今日は部活休みなの?」

「あー……今日は休もうかなって」

「そっか、無理しないほうが……」



グゥゥゥゥ……。



「お腹空いてるの?」

「…………うん」

「フフ、清水くんらしいね」

「っ……」



途端に恥ずかしくなって下を向く。

鳴らすまいと力を入れすぎて、逆に刺激してしまったようだ。


くそぉ! もうちょっと音小さかったら雨音に紛れて誤魔化せたのに!
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