お日さまみたいな温かい君に包まれて
あれ? なんか一瞬、顔がこわばったような……。



「ごめん、もしかして仲悪かった?」

「いや……最近あまり話してないから、勉強のことはわからなくて」

「それもそっかぁ」



だよな。俺も中学生の時はめっちゃ反抗期だったし。
反抗期真っ只中ならそりゃ会話も減るか。



雨が弱まったので、雪塚さんと一緒に途中まで帰ることに。

朝から体調が悪かったため、安全を考慮して、今日は歩いて登校してきたんだそう。



「バトルゲーム得意なのいいなぁ。毎回負けちゃうんだよね」

「大丈夫だよ! 特訓すれば強くなれるよ! 俺、教えようか?」

「え? いいの?」

「うん! もちろん!」



淡い紫色の傘から覗く、丸くなった瞳と視線を合わせる。


あ、別に家に来なよって誘ってるわけじゃないよ?
離れていても、通信すれば話せるし。

下心じゃなくて、純粋な遊び心100パーセントで誘っているだけ。

なってったって、俺は紳士の中の紳士だからな!



「うーん、でも清水くんスパルタそうだからなぁ」

「そんなことないよ? 初心者には優しく教えるよ?」

「えー? 本当にー?」

「ほ、本当だよっ!」
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