お日さまみたいな温かい君に包まれて
「どうしようかな~」とクスクス笑いながら返事を濁された。


これは完全に手のひらの上で転がされている。


俺は負けず嫌いだから、こういうことをされると、ちょっとイラッてすることが多いんだけど……雪塚さんは別。

むしろ悪くないなぁって思っちゃう。


……って、何考えてんだ俺。東馬に俺様系って言われてるのに、これじゃまるでドMじゃねーか。

まさか長雨で頭イカれちまったのか?


はぁ、これだから梅雨は嫌なんだ……。




「……バカだな俺」



帰宅し、ベッドに腰かけて、ずーん……とうなだれる。

誘い方が下手くそすぎたせいで、結局、返事を濁されたまま別れてしまった。


家に呼ぶつもりはこれっぽっちもなかった。

よく実玖の部屋に遊びに来てるんだから、普通に「うちでゲームしようよ」って言っても良かったのに。



「純粋に一緒に遊びたかっただけなのに……」



そう言い聞かせているけれど、もしかしたら自分でも気がつかないうちに、下心が顔に表れていたのかもしれない。

多分それを感じ取って受け入れなかったんだろう。


友達なのに警戒させるなんて、本当に俺はバカだ。

明日は土日で学校休みだし、月曜日に直接謝ろう。
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