お日さまみたいな温かい君に包まれて
満面の笑みで了承した雪塚さん。

みんなで……って、東馬も⁉


チラリと横に目を向けると、俺も一緒に⁉ と言わんばかりに驚いている。


お願いだ東馬。2人にさせてくれ。
実玖と一緒に食べるからとか言って、断ってくれ。頼む!


目で圧をかけて訴えるも。



「あ、ごめん、実玖ちゃんと食べる予定だった?」

「……ううん、今日は何もないから大丈夫」



目が合い、ごめんと口パクで謝られた。

どうやら東馬も、雪塚さんの笑顔に負けたようだ。


くそぉ……2人きりのお昼が……。

まぁ、一緒に食べられることには変わりないしいっか。交換できるおかずも増えるし。



◎◎◎



昼休みになった瞬間、急ぎ足で中庭へ。

テーブル席に座り、持ち寄った弁当を見せ合う。


今日はおかず交換用に、卵焼きを作ってもらった。

今も昔も、少ししょっぱいだし巻き玉子がお気に入り。


まずは東馬と交換し、鶏の唐揚げをもらった。


レモンが効いててさっぱりしている。

爽快感があって、ちょっぴりジメジメした今の季節にはピッタリだ。



「この唐揚げめっちゃ美味いな」

「ありがとう。これ、お父さんの手作りなんだ」
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